印傳屋 / INDEN-YA

甲州印伝をたずさえて 甲府市遊亀公園付属動物園

古くから人々の身の回りの品々をおさめるために使われてきた甲州印伝。時代によって生活様式やトレンドが変化するなかで、形状が変わったり、新しい用途に対応するものを作ったりと、つねに甲州印伝は進化を繰り返してきました。この読みものは、現代のライフスタイルにあわせた甲州印伝のスタイリングを、季節のお出かけ先とあわせてご提案するものです。第3回目は印傳屋始まりの地である山梨県甲府市の甲府市遊亀公園付属動物園を訪れました。

100年も続く、甲府の街の動物園

桜が見ごろを終えて、まばゆい光あふれる春の陽気が本格的になってきました。暖かくなると、週末は外で過ごしたい気持ちに拍車が掛かります。そんな街や自然が多くの人々で賑わい始める季節にぴったりな、印傳屋と縁のある行楽地をご紹介します。

印傳屋発祥の地である山梨県甲府市には、古くから地域の人々に愛されてきた動物園があります。その場所とは、甲府市遊亀公園付属動物園。大正8年に開園、今年で創立100周年を迎えるという、実に歴史のある動物園なのです。

100年以上の歴史をもつ動物園は全国でも数少ないですが、甲府市遊亀公園付属動物園は地方の動物園の中でもロケーションが珍しく、最寄りの甲府駅から車で10分以内の距離にあります。全国的にも貴重な「街の動物園」として、さまざまな世代に愛されてきました。

コンパクトな園内には、ゾウからモルモットまで

甲府市遊亀公園付属動物園の特徴は、なんといっても動物を間近に観察できること。敷地面積は約14,000㎡と決して広くはありませんが、合計169(平成30年3月1日現在)もの動物たちを飼育しています。その中でも一番の人気者はなんといってもゾウのテルです。

1978年生まれ、41歳のテルは男の子のような名前ですが、実は女の子。テルが過ごしている飼育エリアは入口から近く、こんなにも早く対面できるのかという驚きとともに、檻のすぐ後ろに2階建ての民家が見えるという立地に思わず笑みがこぼれます。

3月にはテルのために砂場が新たにつくられました。自慢の大きな鼻を揺らして、ひたすら砂を掻き続けている様子からは、砂遊びに夢中になっていることが伝わってきます。

その他のエリアにはライオン、トラ、ユキヒョウ、マレーグマといったワイルドな動物から、レッサーパンダ、ブラジルバク、ペンギンなどのチャーミングな動物までと、コンパクトな園内は見どころが尽きません。

テンポよく次々とさまざまな動物と出会えることも魅力のひとつ。はじめて目にする動物に興奮して、すぐに絵を描いてみたくなるのも、動物園ならではのアクティビティではないでしょうか。

ちなみに園内で直接触れられる動物はモルモットです。モルモットと交流できる「ふれあいコーナー」は常にたくさんの家族連れで大人気。膝に乗せたり抱きかかえたりして、小さな子どもたちの元気な声が響きわたっています。

時代が変わっても、ノスタルジックな存在であり続ける

どこか懐かしいレトロな雰囲気が漂っているのも、甲府市遊亀公園付属動物園の特徴です。

売店が併設された休憩所も、動物園に隣接された遊園地も、どこを切り取っても懐かしさを感じます。世代によって「太田町公園」や「甲府動物園」などと呼び名が違ったりすることもそうですが、この場所が変わらずあり続け、その人たちの思い出として生き続けているからなのでしょう。ちなみに、動物園には無料の遊園地が併設されています。決して派手なアトラクションはありませんが、デパートの屋上にありそうなノスタルジックな遊具や乗り物は子どもも大人も楽しめるものばかり。動物園と自由に行き来できるのもメリットのひとつです。

また動物園が隣接している遊亀公園では、芝生の上や噴水広場で寛いだり、遊具で遊んだりと、思い思いのひとときを過ごしています。日によっては、ベンチの上で囲碁や将棋に興じるご年配の姿も。このように誰もが自由に過ごしている様子も、この場所が街に根付いている存在であることを物語っています。

どこからか「カチカチ」と拍子木の音が聴こえてきたら、それは紙芝居の時間の合図です。自転車の荷台に紙芝居を乗せたおじさんが現れると、ぞろぞろと子どもたちが集まってきます。独特の語り口調は子どもたちにとっては新鮮。大人たちは懐かしさがこみ上げてタイムスリップしたような感覚に。水飴片手に紙芝居を楽しむという昭和の風景は、平成の終わりにも受け継がれています。

100周年という大きな節目を迎えた甲府の街の動物園は、これから時間をかけて未来に向けての整備計画が進められていきます。時代やかたちが変わったとしても、きっと、この場所に息づく空気は変わりません。

甲府市遊亀公園付属動物園の「変わるもの」と「変わらないもの」。それは私たち印傳屋が身を置く伝統工芸の世界における「革新」と「伝統」だと捉えています。この場所がどちらの価値観も大切にしながら、いつまでも、私たちにとって欠かせない存在であり続けてくれることを願うばかりです。

甲府市遊亀公園付属動物園
山梨県甲府市太田町10-1
TEL:055-233-3875
開園時間:4~10月:9時00分~17時00分(入園は16時30分まで)
11~3月:9時30分~16時30分(入園は16時00分まで)
休園日:毎週月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は翌火曜日)
年末年始(12月29日~1月1日)
入園料:大人320円/ 子ども(小・中学生)30円

公式ウェブサイト
https://www.city.kofu.yamanashi.jp/zoo/

今回登場した印伝はこちら

No.4604 ペンケースA
・天ファスナー
4 × 18 × 3.5cm
税込3,888円(本体価格3,600円)

No.3008 巾着
12 × 11 × 4.5cm
税込4,860円(本体価格4,500円)

No.5869 ブックカバー
16 × 31cm(文庫本サイズ)
税込11,340円(本体価格10,500円)